では、『物事は計りしれず複雑だ』と言い、では、『物事は単純だ』と言いいます。この2冊を 続けざまに手にしたのは、偶然ではないかもしれません。もともとは、を昨年購入していたのですが、冒頭をすこし 読んで、あまりに『目から鱗』で知り合いに、そのまま差し上げてしまいました。今回、そのことを思い出して、を一緒に購入しました。こうやって、一緒に買わなければ、比較することもなかったかもしれません。 なにせ、は、初版が1995年(の復刻版だと思います)であり、は、2008年の初版です。
『物事が複雑か?』 それとも『単純か?』。じつは、この2つの本は同じことを言っています。では、 単純な因果関係では、物事の本質は分からない。自分自身の心情を含めたシステム全体をみて、システム構造を理解することを強調しています。 では、まさにその因果関係の構造の部分をとらえて「単純」で「調和」していると言っているのだと思っています。
いずれの説明も非常にしっくりいきます。が演繹的に構造を証明するのに対し、は、帰納的 に構造理解の重要性を主張しているのです。
加えて、どちらも、最善の解決方法は、「ウィン・ウィン」の解決方法だと主張しています。ここで言う「ウィン・ウィン」の法則とは、 元請けが、下請けの利益がでるような発注をするということではありません。下請けが最も競争力をつけて売上を伸ばすことができる 働きがけをすることをさします。
例えば、では、小売店の売上の実態を考慮しない卸売が最大努力すると、大量の在庫を抱えてしまうことを証明し、 では、メーカーが小売店の在庫を抱えるリスクを最小化して、売り切れを極力なくす努力をすれば、利益が100% 以上向上した事例を紹介しています。
その他、構造理解をさまたげる人間の本質として、「他人のせいにする」ことを共通であげていることにも驚かされます。
偶然にも続けて読むことになった2つの本のおかげで、最優先すべきは全体思考であり、システム構造への働きがけであるという ことが確信でき、また、他人へ説明する材料にもなりそうです。